茶屋夕顔「 月花蜜の茶席 」
あれから、早くも一週間が経ちました。
準備期間を含めた当日開催まで、
多くを込めた茶席でしたので、まだまだ濃密のまま今に至ります。
(こうして文章にするまでには、やはり一定の時間がかかります)
今回は、夕顔がディレクションをし、
茶葉の選定・合組・生産を茶屋すずわが行う
【 月花蜜 つきはなみつ 】夕顔の茶
お披露目となる茶席でもありました。
季節の情景を「香り」「姿」「味わい」「温度」に重ね、料理として表す夕顔ですが、
中でも「香り」というものを最も大切にしています。
想い描く情景と、料理を繋ぐ大きな要素・役割が「香り」なのです。
以前より「茶」の持つ香味に強く惹かれていました。
「一服する」という言葉もあるように、
茶を淹れ、味わう時間は「場と気持ちを整え、時の流れを変えるもの」と感じています。
漂う香りには、時空を少し変えるような魔力がある。
私の中で、そんな「香りの最たるもの」である茶で、
想い描く情景を表せたら... という願い・希望に応えて下さったのが、
茶所・静岡の地で、100年以上に渡って茶業を営む「茶屋すずわ」さんでした。
こうして二人で形にしていった「 月花蜜 」
描いた情景は、
【 月夜の静寂に香る花。花からは、清く甘い蜜が滴る 】
花の蜜を想わせる甘味を縁取る、マスカットのような瑞々しく清らかな芳香。
とけあう日本茶の風味。
一煎目:上品さ・穏やかさ
二煎目:豊かな馥郁
日本茶の新たな提案。
立つ香り(中国茶の持つ要素)の中に
甘味と風味(日本茶の持つ要素)が絶妙なバランスで成り立つお茶です。
※月花蜜 茶葉は、
茶屋すずわさん店舗とネットショップにて、お求めいただけます。
夕顔では 催し日を中心に、継続的に販売してゆきます。
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今年で4度目の「茶屋 夕顔」では、
この月花蜜をVillage 参加作家の茶器で味わっていただく茶席を作りました。
【 Village 】は、ARTS&CRAFT静岡が主催する、
三島市・楽寿園で年に一度開催される催しです。
「茶屋 夕顔」は、園内にある登録有形文化財・二階建ての数奇屋造り「梅御殿」にて、
Village 参加作家の作品と、夕顔の作るものや情景と、季節を繋ぐ役割を担っています。
月花蜜の茶席を、茶器で支えて下さった11名の作家さま。
茶の水色の映える杯をご用意いただきました。
月花蜜のイメージに繋ぐように杯を形作って下さった方もいらして嬉しいかぎり。
河合さんは、杯に合わせた急須と片口を、
石川さんには、杯に合わせた急須をご用意いただきました。
<協力作家さま>
・河合竜彦さん(急須・片口・茶杯)
・石原ゆきえさん(茶杯)
・松本美弥子さん(茶杯)
・大隅新さん(茶杯)
・谷井直人さん(茶杯)
・藤村佳澄さん(茶杯)
・北川和喜さん(茶杯)
・大堀有崇さん(茶杯)
・石川隆児さん(急須・茶杯)
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今回の「月花蜜の茶席」の記事を、
ライターの 米澤あす香さん が書いてくれました。
こちらよりご覧いただけます → ●
茶屋夕顔では、3度目。裏方をサポートしてくれた米澤さんの書く目線。
茶席の流れ・場の空気と臨場感。
文章から参加する茶席、どうぞお愉しみください。
(米澤さんは、
「五味五感の食事会ルポルタージュ」も手がけているのですよ)
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最後になってしまいましたが、
月花蜜の茶席へご参加下さいました皆さま、
多くのサポートをして下さった Villageスタッフの皆さま、
茶器のご協力をいただいた作家さま、
そして、
ともに【 月花蜜 】を創ってきた 茶屋すずわさん。
ありがとうございました。
溢れる感謝とともに
令和元年 ・ 初夏
夕顔 藤間夕香
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「 月花蜜の茶席のこと 」
撮影:大野写真研究室
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