木々と水辺の食事会のこと
「木々と水辺の食事会」にはたくさんのことがつまっていた
A&C静岡手創り市が 春季開催によせ掲げたテーマ「green」
テーマのもと集った参加作家さんの器を使い
その場で調理をし、料理を供するということ
通常のクラフト市では隔てられてしまう
「工芸」「飲食」を開催中の市の、
その開かれた場で「食事会」として繋ぐこと
空間も含め、時間をつくるということ
これらを ひとつの線のように繋いでいたのが「green」だった
新芽が伸びるような / 未熟から成熟への
色あせて佇む記憶へよせて / 時の重なり、積み重ねのように
色、姿、香り、味わいとしての /
木々と水辺へ捧ぐ /
green
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会場準備にあてていた 4/10日は結構な雨だった
翌 11日、続く12日は 朝から食事会がはじまるので
空間づくり、さまざまの設営、細かな動きの調整などを
この日に済ませておかねばならない
雨のこと
想定して準備をしてきていたけれど
強まる雨のなか 実際に身をおくと やはり不安になる
自分たちの手元と、広がるイメージを盾に手を動かす
いわもとまきこさんによるガーランド、巨大なリース、
彼女の相棒であり父である、善兵衛さんが作る「扉」
テントのなかの調理場、
12名が囲む大きなテーブル
徐々に現れる景色と動き
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4月11日 土曜日
前日から降り続いた雨で 食事会は中止に
とても残念だけれど、切り替えねば
この日は
準備していた料理と Chipakoyaさんにご用意いただいていた天然酵母パンで
greenへよせたサンドイッチを作って販売
菜の花ソースの艶やかな緑色とともに
春野菜・山菜の色香り 揚げたてを詰めてゆく
「木々と水辺の商い」と名付け
食事会にまつわる いわもとさんの布ものたちやブーケを並べる
野外での食事会
はじめから雨天の場合は中止と決めていたし、
天気のことは仕方ないけれど
参加予定だったお客さんたち、
この日の為に器をご用意してくれた
参加作家さんへの申し訳ない想いは、今も胸にのこる
雨に濡れた緑や
波紋をつくる水辺がとても美しかったこと
物理的に食事会へ参加できない出店者さんたちが
サンドイッチを喜んでくださったこと
この日、
心持ちをあげてくれたことごと
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4月12日 日曜日
満を持しての晴れ
イメージしてきた、様々のgreenが連なり、並んだ
最初のテーブルセッティングが済んだとき、
ぐっと込み上げる瞬間があったこと
忘れない
不安、迷い、光、闇、
いろいろあるけれど
この瞬間があるから「創る」ということを続けていけるのだろう
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木陰の入口 、密やかな水辺
四月の芽吹きが 器の輪郭をなぞる
よろこびを束ね
柔らかにふくらむように
見て触れ、その心地も味わっていただけますように
● お品書き
・自家製オイルサーディン 柑橘とハーブの和え物をあわせて
鮮度よい豆鯵を 一尾一尾丁寧にひらき、
低音のオイルでゆっくり火を入れ柔らかに仕上げました
クミンで和えた八朔の清涼感を添えて
・山菜と春野菜の香り揚げ
たらの芽、そら豆、アスパラの瑞々しい野性味と甘み
鮮やかな緑をぎゅっととじこめた、香る春です
・新じゃが芋の菜の花ソース
皮ごと蒸した新じゃが芋、その皮目は香ばしいスパイスのように
木の実のコクをしのばせた菜の花ソースの、艶やかな緑を絡めて召し上がれ
・天然酵母パン クッペ
木々と水辺の食事会によせ、Chipakoyaさんに拵えていただきました
オーガニックの干し葡萄から育てられた自家製酵母使用
粉そのものの素直な味わいと、しっかりした噛みごたえ、引きの強さが特徴です
料理とのあわせを考えていただいた ”白ごはんのようなパン” です
・焙じ茶
マルモ森商店・chagama謹製の「焙じ茶」です
香ばしさのなかにも甘味を感じる茶葉
香りと味わいをお楽しみください
参加作家さんの器へ greenの料理
いわもとさんによる空間演出
柔らかなリネンのテーブルクロス
風にゆれる大きなリース
空間を隔てるガーランド
扉からのぞく、木々と水辺の緑
ウェルカムブーケ
四月色のコースター
わたしたちの、揃いのエプロン
挨拶の時、
緊張して互いに声が震えたよね (ふふ)
参加者さんからの嬉しい声、
本当にはげみとなること
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工芸と飲食を繋ぐ、場づくりの喜び
その可能性について想う
今後の糧となることが たくさんでした
最後になってしまいましたが、
ご参加くださったみなさま
器をご用意くださった作家さま、
A&C静岡手創り市さん、
お手伝いをしてくれた彼女たち
そして、
いわもとさんへ
心よりの感謝をこめて
また次へ
繋げられますように
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料理 夕顔 藤間夕香
空間 いわもとまきこ
企画 夕顔
主催 A&C 静岡手創り市
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