その場所では、日々季節の果実が炊かれ、
焼き菓子の焼ける香ばしい匂いがめぐる
素材を生かした、よろこびの組み合わせ
味かおりの調合
あの人の手のひらは、きっととてもよいにおい
春のはじめに、振り返る冬のおわりのこと
「冬と料理と灯り」のことを書きます
自分のなかで大事なことは、
文章にするのに(言葉で繋げるのに)
時間がかかってしまう
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Chipakoyaとkichi(基地)から広げた食事会です
Chipakoyaさんの作ってくださった
食事会当日の動画とともにご覧いただけたらうれしい
(音楽は、ユキシュンスケくん
夕顔の料理を「音」で表してくれる、親愛なる音楽家さんです → ● ●)
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この食事会を振り返るとき、同時に
Chipakoyaのつくる季節の瓶詰めをはじめて手にした時の驚きをおもう
溢れる瑞々しさとその芳香が 瓶の透明ごしに
艶やかに輝いていて、目が離せなかったこと
果実の素直な美味しさ しっかり効いたスパイス 自然な甘み
素材の味を掬って引き立てる抜群の塩梅
焼き菓子も、オリジナルのチャイ茶葉も、季節野菜のピクルスも
Chipakoyaのつくるものには、
素材を知り、愉しんでいることが滲む
それは季節の巡りを愛おしみ、
素材へ 鮮やかな好奇心をよせることと通じるように思う
自分自身も料理をつくるうえで とても大事にしていること
「美味しい」は「愛おしい」から できているのかもしれませんね
そんな、季節の恵みが日々つくられる「kichi」で、
食事会を行えるよろこびといったら(ふふふ)
おいしい秘密のつまったこの空間を 暖かに照らす蝋燭の灯り
kichiには、静かで穏やかな灯りがよく似合う
佇む旬がよろこびを秘めて語りかけてくるように
料理へ、時間へ、空間へ
果実 スパイス / こうばしい香り /
料理とおやつの間のような / 冬の旬 その瑞々しさ /
場所に積もる日々の営みを想い 料理と空間へ込めてゆきました
品書きのなかに、
Chipakoyaジャムをソースに使った料理があるのですが、
その味香りのイメージを近づけてゆく時間もたのしく、豊かな時間でした
味覚がカタチとなって現れる高揚感
● お品書き
<根菜の香ばし揚げ 檸檬と山椒のジャム添え>
香ばしく揚げた、長芋、牛蒡、人参と、
清々しくスパイシーな檸檬と山椒ジャムの親密
心はずむ旬の味あわせです
*「檸檬と山椒のジャム」は、
このメニューによせ Chipakoyaさんに拵えていただいたスペシャルジャムです
<林檎と薩摩芋のシナモン胡麻和え>
林檎の凛とした酸味、薩摩芋の円やかさ
シナモンを効かせた擦りたて胡麻和えで、滋味豊かに仕上げました
<かぶらと蕾菜の炊き合わせ>
かつお出汁ベースの煮汁でふっくら炊いたかぶらと、
大型からし菜の一種の脇芽・蕾菜のあふれる瑞々しさ
お出汁染みいるひと品です
<飴色玉ねぎとローズマリーと木の実のちまき>
じっくり火を入れた飴色玉ねぎのコク、ローズマリーの清涼感、
木の実の歯ざわりの好相性
紐を解くお愉しみ、蒸したてを召し上がれ
当日はChipakoyaのお二人に料理のサーブをしていただきました
この場所で季節の恵みを繋ぐおふたりから、
季節の料理をお客さまへ繋いでもらうこと
Chipakoya kichiの日々の営みへ 連なるように
そして灯りは、
時間と季節を包み 穏やかに照らすのです
お越しくださいましたみなさま
Chipakoyaさん
改めまして、本当にありがとうございました!
またいつか
この場所でご一緒できることを願って
夕顔 / 藤間夕香
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撮影・動画制作 : Chipakoya
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