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秋と冬の入口、色も料理 / 前田美絵さんのうつわにて







atelier yorimitiさんにて開催中の、前田美絵さんの陶展

会期中に行わせていただいた食事会のこと


yorimitiさんの開放感がきもちよい、自然光のさす空間

そこに並ぶ前田さんの、新たな形、緑、藍

食材との色あわせがたのしくなるような 器たちがずらりと並びます

料理を盛りつけるとき、

彩りをみるのは大切なことで、たのしみ広がること

前田さんのつくる、鮮やかさと渋さが同居した器たちは、

食材との「色あわせ」というものを、より意識させてくれるように思います


今回の食事会でも 存分に色あわせ、たのしませていただきましたよ


淡い緑と黄土色が交わるボウルに、

里芋と豆乳の乳白色(黒胡麻の黒と花山椒の赤をちらり)


掠れが風情ある緑青色には、

紫と橙、緑に渋紫、白、茶色、黄色にあずき色

プレートに秋の彩りを盛りつける




同じ料理でも、藍色のプレートではまた違った表情に

菊花の黄を散らしながら、全体のバランスをみてゆく


..


【 お品書き 


・里芋と豆乳のポタージュ
里芋の柔らかな甘みと、豆乳の清らかなコク
素材の味を引き立て、ポタージュに仕上げました             

・秋野菜の揚げ浸し
香ばしく油を通した肉厚の秋茄子、秋かぶ、椎茸
かつを出汁ベースの澄んだ旨味が、じわりと染み渡ります

・紫芋と柿の和えもの
上品な甘みの紫芋と、秋の実りの柿の滋味を
グレープシードオイルと米酢のほのかな酸味で和えました
彩りと味覚の合わせをおたのしみください

・蓮根と黄人参の甘酢漬け
歯触り豊かな蓮根と、爽やかな野性味の黄人参を
甘酢でしゃっきり漬け込みました(箸休めに、みずみずしさを)

・黒豆の炊き込みご飯
黒豆のふくよかな味わいとお米のつややかさ
お出汁とお醤油でふっくらと炊き上げ、結びました

・天日干し番茶
ほっとひと息 天日で干したお番茶の、
やさしく懐かしい香りがひろがります

..


ご参加いただいたお客さまと距離の近いお台所にて

食材のこと 器のこと、実は実は の話題などなど
お話しながら調理できたことも、うれしくたのしい時間でした

前田さん、yorimitiさん

お客さまたちの笑顔や楽しげな声、うれしい言葉

大きな窓から移り変わる日差しと夕暮れ

じーんわりと、こころに響いた一日となりました


前田美絵さんの陶展は11月9(土)まで

みなさま、ぜひに

(前田さんがご自身の器にあわせてつくった

料理と器をまとめたファイルも必見ですよ

作家のまなざしを感じ、魅入ってしまいました)


yorimitiさん、 前田さんの書いてくださった食事会のこと

(ありがとうございます!)




<撮影 : atelier yorimiti>



| 料理のこと | - | - |
「10月の台所から」へ、よせて








台所の窓からさす光と陰

紅葉を待つ葉の輪郭

作業台の上の包丁、お鍋、秋のお野菜
食器棚にならぶ 気に入りのうつわ、グラス、
無造作にたたまれた籠のなかの布巾たち
ある日の食卓にならぶ 愛おしき風景と、そこによりそう音楽へ

この企画展のことを想うとき、はじまるまえも そして終わった今も
この文章に綴ったような情景が浮かんでくることを幸いに思う

みつめて来たことがひとつのカタチとなり、
poooLさんの 自然光が美しい空間に存在したこと

感謝と学びと、噛みしめてすすんでゆきたい



秋の台所から、食卓、食器棚へ

日常で実際に使われているような

このまま続く日々があるような

人と、ものの気配の残る空間を意識して場をつくってゆきました

(例えば「フライパンでスパイスを煎る」シーン

左手にフライパンを持ち、右手の匙でスパイスを掬って鍋に移す

フライパンをコンロに置き、匙はいったん小皿の上へ  までがひとつの動き

そのとき自然にできた配置のままディスプレイ

器やグラスは、サイズや使用用途ごとに分けて、

お台所、食卓、食器棚の空間をつくり 使い勝手がよいだろう動線を意識して

並べてゆくこと= 気配ののこる空間かな と考えました)


この場所で、わたしとpoooLさんが日々愛用している

参加作家さんの器や食まわりの道具たちのこと

台所事情を交えながらおすすめできたこと、とてもうれしかったです



会期中に行われた、食事会「10月の食卓」では

食器棚をイメージした展示空間より、

器をその場で選ぶことからはじまるリアリティや

料理とのあわせ、盛り付けの流れ

煮炊きのにおいも感じてもらいながら食卓へ

展示会のサウンドトラックを制作してくれたユキくんの生演奏も加わり、

情感のある、秋の台所によく似合うような、

五感でたのしめる食卓になったと思います

(あらかじめ録音してもらっていた調理の音を、

随所にまぜながらの演出もとてもたのしかった!)


食卓、準備


食器棚


食器棚より、日々愛用している参加作家さんの器をえらぶ


お台所で料理を盛る


(入口からの視線)


(食卓からの視線)


器に料理を / 音楽との呼吸あわせもたのしい


食卓へ


..


日常に生きる動線は、つよく深くそこにあり

ささやかだけれど、繰り返す・積もってゆく、ちいさな歴史のようなもの
それもまた情景(そしてやっぱり料理がつくりたくなる、へ繋がるのです)



※poooLさんが書いて下さった10月の食卓レポート

動線だけでなく「視線」も、追ってくださったのだなあと

とてもうれしかった


..


「10月の台所から」

これからも、この展示会のことを

度々想いながら日々を過ごすだろうと思います

ずっと続けてきたこと、大事にしていることの詰まった展示


しっかり見つめて、そして また日常へと続く



最後になってしまいましたが

足を運んでくださったみなさま、

石原さん、田村さん、古橋さん、

西山さん、yutaさん、中村さん、

いわもとさん、omotoさん、ユキさん、

そして poooLさん


ほんとうに、ありがとうございました

心よりの感謝をこめて


..


10月の台所から



【 会期 / 時間 】 

10月18(金)〜 10月27(日)

12:00 〜 19:00


【 出展作家 】

石原稔久(陶)

田村文宏(陶)

古橋治人(木工・陶)

西山芳浩(ガラス)

yuta(金属)

中村智美(金属)

いわもとまきこ(布)

omoto(包丁・布)

ユキシュンスケ(音楽)


【 場所 】

 poooL本

東京都武蔵野市吉祥寺本町3-12-9 潤マンション105

0422(20)5180


◯● 食事会「10月の食卓」

食器棚に見立てた展示空間から、日々愛用している作家さんの食器を選び、
台所にしつらえた空間で料理を盛り 食卓へ
夕顔 藤間の日常の動きに近づけた動線と料理をおたのしみください

<日時>

10月19(土)

第1部 12:00 - 14:00 

第2部  14:30 - 16:30 

第3部  17:00 - 19:00 


10月26(土)


第1部 12:00 - 14:00 

2  14:30 - 16:30 

3  17:00 - 19:00

全日程ともに満席となりました。ご予約ありがとうございました!


※イベント時は各回とも、
本展のオリジナルサウンドトラックを制作した ユキシュンスケさんによる
空間にあわせた生演奏もあります

<定員>

各回4名さま ※ご予約制となります


<品書き>

季節の料理3品 + 選べる 1ドリンク

(ドリンクは日本酒、ビール、白ワイン、ノンアルコールよりお選びいただけます)

・秋野菜の炊き合わせ(薩摩芋、蓮根、南瓜、牛蒡、青梗菜)

・焼き柿ときぬかつぎ芋の麦味噌オイル和え

・菊花と椎茸の柿の葉寿司


..


10月の台所から

企画:藤間夕香, poooL



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