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蕎麦茶と厚口の湯のみ









おせちが終わり、ほっとひと息
ぼんやり 年越しを愉しみたい
(おせちについてはまたゆっくり書きます)


あと数時間

みなさま、
よいお年をお迎え下さい




| 夕顔 | - | - |
師走に







おせちの仕込みの日々をすごしている

手と頭は常に動かしているのだけれど、
例えば 自分にとって心が動く景色を ぼんやり眺めているような
それに似た静かな気持ちでいます

今年は、様々な ものづくりの作家さん達とお仕事をさせて頂いている
それぞれのかたち、表し方
ほんとうに みなさん様々ですが
共通して感じるのは
ピンと張った ひとつの線のような存在感や
見え隠れする まっすぐな視線 

わたしはいつも それらを裏切りたくないな と思う
だから、彼らをがっかりさせないものをつくりたいし
自分もまた そんな風でありたいと思う

足を運んでくださるお客様、お世話になっている方々がいる事で
「仕事」となること とても感謝しています


これからどんな出会い・出来事があるだろう
ひとと、ものと 場所と

いつでもそのままにある事なんて きっとないから
甘えずに、という事を忘れないように

そして 流れに逆らわず身を置いてみることにも 柔軟でいたい


珈琲のんだら仕込みはじめ
今日はエチオピア







| ひとりごと | - | - |
冬至お萩









一年のうちで最も日が短く夜の長い日「冬至」
日照時間の短さは、生命力の衰えを連想させたことから
無病息災を祈る風習があります
栄養価のある南瓜を食べ、身体を温める柚子湯に入る
柚子の香りは邪気を祓うといわれ、冬至=湯治とされます

南瓜のほっこりした甘みと、
柚子の清々しい香り
そして 紅葉した黄色い葉のような 素材の色から
イメージがふくらんで、お萩をつくりました
お萩は 秋の食べ物ですが なんとなくお萩のイメージでした
春はぼたもち(牡丹餅)の呼び名となるこのお菓子(?)
季節の花により名をかえるなんて、いじらしい!


冬至お萩、美味しくできた
南瓜の甘みを生かしてお砂糖(きび砂糖)は控えめに、お塩少々
ふっと香る柚子がなかなか愉しい
餅米には黒米を交ぜて炊きました
柔らかな小豆色


これから、段々と日が長くなりますね
寒さはまだまだ厳しいですが

( そしてそして おせちの準備まっただ中です
今日はクリスマスイヴだけれど、そこら中が田作りの匂い )





| 料理のこと | - | - |
田村文宏さんのうつわにて、






うつわノートさんで行われた
「田村文宏展 南海の器」会期中に、
田村さんのうつわにて季節の料理を出させていただきました

うつわノートさんのお庭には、
立派な紅葉の木があって その色付きも丁度見頃
普段は開放されない お二階にお席をつくらせて頂きました

窓から眺める紅葉は、はっとするうつくしさ 

今回、料理を盛らせて頂いたうつわは
サイズや形状など 料理にあわせて特別に作って頂いたもの

田村さんのうつわには、季節の食材がそっと馴染むだろうことは
実感としてあったので それを生かして、
添うように 映えるように ひとつひとつ決めてゆきました

<紅しぐれ大根と柿の自家製豆腐白和え> 器:櫛目5寸浅鉢
表皮が濃紫色と淡紫色をした 歯ごたえのよい紅しぐれ大根と、
岐阜の名産・富有柿を、軽く塩揉みにして 自家製豆腐で白和えにしました

<鱈の春菊ソース 菊花の三杯酢 添え> 器:鉄釉印花7.5寸平皿
酒蒸しにした鱈のうまみに、春菊と木の実をあわせたソースがよく合います
さっぱり仕上げた 菊花の三杯酢を添えました

<安納紅葉芋・金時人参・蓮根の炊き合わせ 柚子あん> 器:灰釉粉引6寸丼
身の切り口が紅葉色をしていることからこの名が付いた 
甘みのある安納もみじ芋、
朱色をした 風味ある金時人参、歯触りゆたかな蓮根を、かつを出汁ベースの
さっぱりとした煮汁で炊き上げ 柚子の香りを付けたあんをかけました

<百合根と胡麻の炊き込みご飯> 器:灰釉粉引飯椀
ほっこりとした食感とやわらかな味わいの百合根に
こうばしい胡麻をあわせた炊き込みご飯です 滋味ある味わい

<かぶらの汁物> 椀:私物
柔く炊いた小かぶを丸ごと使用しました お出汁がふんわり香ります

<水菓子・苺> 器:白磁4寸平皿
甘酸のバランスのよい、とちおとめ です

<お茶・赤ちゃん番茶> 灰釉粉引猪口
無農薬天日干し番茶
その名のいわれは、赤ちゃんでも安心して飲める という事から


いきいきとした迫力の 思わず触れたくなる 田村さんのうつわたち
素材感を生かした(自然美のような)身近なうつくしさ
手にすると その厚みと重みは しっくりと心地よさを与えてくれる
それは自分が料理をする時に 大切に想う部分と重なり 
料理を盛りつけるその瞬間瞬間に 心強い安心感がありました

庭の紅葉は、この季節の象徴
共有できる季節の紅色
その紅葉が 窓一面に広がっていて
それを軸に うつわと料理がつながって
理屈ではなく ただシンプルに「そこに或る」こと


うつわを実際に使用して頂くことで
各々の(そのうつわに対する)想像力が、
具体的に より親密に広がるだろう事をおもいました


目に見えないけれど大切な事、
(見えないからこそ 大事なんだと思うけれども)
形として 見せる方法を探る事も大事
今回はそのヒントを 肌で感じさせてもらったような気がしています

お越し頂きました皆さま 誠にありがとうございました
そして、うつわノートさん、田村さん 

こころよりの感謝を込めて

ありがとうございました!







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