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ヒヤシンス

彼は言った
自分のこの身体が憎いと

確かにそのとおりで、
自分の身体が自分の意志に反し
いう事を聞いてくれない時、それはそれはとても恨めしい

自分なのに自分の顔を 鏡を通してしか
見る事ができないという理不尽さ、不確かさにどこか似ている
 
けれども絶えず
この心臓は動いているし、呼吸もする、体温はあたたかい
生命を維持するという力はほんとうに凄い

歳をとるってどうゆうことだろう
偶然とはなんだろう
答えを求めるでもなく、たまに考える
そんな時、自分の身体が妙に愛おしく よそよそしく感じて
大切にしないとなあと思う

昨日玄関に生けたヒヤシンスが
思わぬタイミングで、すーっと香る
それだけの事で私はとても幸せです

・ ・ ・
そういえば、
太宰治は「パンドラの匣」の最後をこう綴っていたっけ

この道は、どこへつづいているのか。
それは、伸びて行く植物の蔓に聞いたほうがよい。蔓は答えるだろう。
「 私はなんにも知りません。 しかし、伸びてゆく方向に陽が当たるようです。」

・ ・ ・

来年は、
いろんな事を形にしてゆきたい









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続 冬・料理

慈姑(くわい)
つんと伸びた芽が特徴
「芽が出ますように」
縁起物のお野菜です
姿かたちは、なかなかにグロテスクで美しい
でもどこか隙があるかんじがよいです



薄く皮をむき、(くれぐれも芽を折らぬよう!)さっと塩ゆでし、
軽くローストしてすり潰した木の実と胡麻を衣に、ごま油でからりと揚げました
きび砂糖と日本酒でのばしたお味噌をたっぷりと添えて
ほくほくかりっとした食感と芳ばしさ、自然な甘味が広がります


<慈姑の木の実ごま揚げ>




もうすぐ、みそか
おせち仕事の日々がはじまる





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冬・料理

冬のお野菜の、
ずんぐりむっくりしたフォルムに惹かれます
その愛嬌が 寒空の下なんとも心強い

下の画像は、金沢のお野菜「源助大根」
身がしっかり詰まっていて、煮崩れしにくく
味も入りやすいお大根です

かつをのお出汁をたっぷりきかせた煮汁で
じんわりゆっくりと、柚子炊きにしました
柚子の香りが、源助大根本来の甘味を引き立て そっと寄り添います
(まるでメオトのよう? この場合、柚子はよくできた女房です)



<源助大根の柚子炊き>




つづく




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