「日々のなかの真鍮に ある春の料理を」
自分にとって とても大切な展示会・食事会でしたので、
ここにこうして書くまでに 時間がたってしまいました
お越しくださいました皆様、
あらためまして 本当にありがとうございます
今回のこの展示会では、
自分が料理で表してゆきたいことのかけらがたくさんでした
yutaさんの真鍮作品を通して、かけらはカタチとなり、
また、なお自分のこころへ深く根ざしたように思います
静けさ、翳り、瑞々しさ、
季節はめぐる 重なる、
はかなさ、記憶と日常の結び目のような
自然のうつくしさには叶わないということ
使い込まれた説得力ある美にも、やはりかなわないということ
けれど そこには
励みと、創作への意欲が沢山詰まっています
溢れるように 敬意を払うように
yutaさんとご一緒できたことに本当に感謝です
下記は、食事会の品書きと食事会の風景
・お品書き
<食前酒 / 八朔のサングリア>
スペイン産の軽やかな白ワインに、八朔の清々しい酸味と香りを合わせました
<春の前菜 三種盛りあわせ>
・こごみと山うど芽の青煮
くるりとした姿愛らしく、なめらかな食感のこごみと、野性味溢れる山うど芽を
澄んだかつを出汁で緑を生かし 青々と仕上げました
・新じゃが芋の木の芽味噌焼き
木の芽で香りをたてた甘辛のお味噌を、新じゃが芋に絡め じゅわっと焼き色を付けました
・ふきのとうと、行者にんにくの天麩羅
ふきのとう、行者にんにくの芽吹きの香味を、揚げたての天麩羅で召し上がれ
<菜の花とたらの芽、鰆の春かぶら蒸し>
瑞々しい緑のほろ苦さ 菜の花にたらの芽、鰆の上品な旨味、しっとり甘い春かぶら
かつをのお出汁で仕立てたあんが優しく包みます
<筍ごはん>
柔くかぐわしい新筍を昆布のお出汁で炊き上げました ひと粒ひと粒にしみ込む春の味
<香の物もの / 新牛蒡の醤油漬け>
歯触り豊かな新牛蒡を、お醤油でこっくりと漬け込みました
<真鰯つみれと根三つ葉のお吸いもの>
鮮度のよい旬の真鰯を、ふわりとしたつみれに仕立てました
根三つ葉のさわやかさを浮かべた、味わい豊かなお出汁がひろがります
<蓬羹と黒糖羹>
懐かしい草のにおいと、透明感のある自然な甘みをおたのしみ下さい
<献上加賀棒茶>
一番摘みの茎を炒りあげた、香ばしさ贅沢な棒茶です
食事会の最後には、各回ともyutaさんによる真鍮器のお手入れ実演がありました
こちらは現在動画制作がすすんでいるのです
(詳細は、またこちらでご紹介しますね)
..
料理をすることとは違う頭をつかう、企画をたてるということ
緊張でした とてもとても
学びも反省もありました
それは、次への約束に
ある春ははじまり
そして初夏へ
<撮影:布田文子>